イスラエル訪問記

イスラエル現地調査報告記(6)

11月3日(日)

この日は朝から、イブラヒムさんとベティーさんの案内で、エルサレムを回りました。最初にイブラヒムさんが「シルワンのプール」と呼ばれるキデロンの谷にある水場に連れて行ってくれました。ここには水が湧いており、イブラヒムによれば、この水はエルサレム全体の地下を流れている水と繋がっており、さらにイスラム教の聖地であるメッカの中で湧いているザムザムの水とも繋がっているのだそうです。

ペットボトルにこのプールの水を入れてもらうように、この場を守っているアラブ人のおじさんに頼んだのですが、この時、ペットボトルには富士山の水が少し残っていたので、その水がこのプールの中に注がれることになってしまいました。


シロワンのプール(=シロアムの池)

この水は新約聖書の中では「シロアムの池」として知られているものと同じです。イエスは盲人の目に泥を塗って、「シロアムの池で洗いなさい」と命じました。盲人はイエスの言うがままにシロアムの池に行って目を洗ったところ、目が開いて見えるようになった、と書いてあります。この水をペットボトルに汲んで持ち帰りました。

それからイブラヒムさんは私たちをゲッセマネの園に連れて行ってくれました。ここはイエス・キリストが祈りをするために何度も訪れた場所です。


ゲッセマネの園

ゲッセマネの園は、東エルサレムのオリーブ山の中腹にあり、アラブの人たちの町の中にあります。オリーブ山の頂上にある展望台からエルサレムの旧市街を眺めると、下の写真のようになります。


オリーブ山から眺めたエルサレム旧市街

昼時になったので、イブラヒムさんが「エルサレムで最高のレストランに連れて行ってあげよう」と言ってくれました。私は今回は私の方から皆さんにご馳走したいなあ、と思っていたので、ちょうど良かったと思っていました。そしたら彼は途中でオリーブ山の商店街に寄って、イスラエル名物のフームスと呼ばれるペーストを買いました。それを持って、私たちをどこに連れて行ってくれたかというと、何と彼の家でした。

つまり最高のレストランとは彼自身の家なのでした。途中で奥さんに電話をして、昼食を用意するように頼んだようです。彼は電話では当然アラビア語を使っているので、私たちには分かりませんでした。彼のもてなしに、私たちはとっても感動しました。

食事が終わった後にイブラヒムさんに、「毎日メッカに向かって祈っている場所に行ってみたいんだけど」と頼んだところ、彼は私たちを屋上に案内してくれました。下の写真はその屋上から、メッカの方向を眺めた風景です。写真では分かりにくいと思いますが、はるか彼方に死海が見えています。


イブラヒムの家の屋上からメッカの方向を眺めたところ


それからイブラヒムと別れて、ベティーさんの案内でエルサレムの旧市街の中に入りました。「鞭打ちの教会」、「聖アンナ教会」、「ベテスダの池」を訪れました。下の写真はベテスダの池の様子です。この池のそばに38年間も伏せっていた病人をイエスが奇跡的に癒した、ということでこの池はよく知られています。


ベテスダの池

そして一番最後に、いよいよ「聖墳墓教会」に入りました。ベティーも次の用事があったので、この巨大な教会の中を、私たちは、文字どおり駆け巡りました。ここは「ゴルゴダの丘」があったとされるところで、つまりイエス・キリストが十字架に懸けられたところであると言われています。「聖墳墓教会」は巨大で、中の構造はとても複雑です。キリスト教の各宗派がそれぞれに部屋を持っています。たくさんの教会が寄り集まって一つの建物にまとまっているのです。

ここで偶然ですが日本人の神父さんに会いました。彼はローマ・カトリック教会の神父さんで今日たまたま宿直当番なのだそうです。


聖墳墓教会のローマ・カトリック教会の前にて

神父さんに来年ガリラヤ湖で開催予定の「世界の水に愛と感謝を捧げるセレモニー」について説明し、是非来てくださるようにお願いしました。来年の7月頃までこちらにいらっしゃるそうなので、再びお会いできることでしょう。

聖墳墓教会の入り口のところに、正教会の僧服をまとった僧侶の方が座っていました。今年の六月に江本勝のヨーロッパ・ツアーに同行させて頂いた時に、イタリア半島とバルカン半島に挟まれたアドリア海を航行する豪華客船の上で開催された「宗教・科学・環境シンポジウム」に参加させていただくことができました。このシンポジウムは、正教会のイスタンブール大主教であるバーソロミュー一世がスポンサーとなって開催されたもので、たくさんの正教会の人たちとお会いすることができました。その時にこの方もお見かけしたことがあるような気がかすかにしたので、勇気を振り絞って話しかけてみました。


聖墳墓教会の正教会のダニエル主教
向かって左は通訳のミッキーさん、私が主教にプレゼント
したギリシャ語版「水からの伝言」を抱えている

この方はギリシャ語しか話せず、英語はよく聞き取れないとのことで、隣に座っているミッキーという名前の女性が実は通訳だったのです。ミッキーさんを介していろいろと話をした結果、彼はダニエル主教と言って、聖墳墓教会の正教会の長であること、アドリア海での「宗教・科学・環境シンポジウム」には参加していないけれどもその話をもう少し詳しく聞きたい、とのことでした。私はこの時たまたまギリシャ語版の「水からの伝言」を持っていたので、それを彼にプレゼントするとともに、「水への愛と感謝プロジェクト」についても詳しく話をさせて頂きました。

日本に帰ってから観光ガイドブックを見てみたら、彼の写真が載っていて、このダニエル主教はこの聖墳墓教会全体の責任者でもあることが分かりました。思い切って声をかけて良かったなあ、と思いました。

ベティーが最後に、聖墳墓教会の中の一画にあるコプト教教会に連れて行ってくれました。敷地内の一番奥から、岩をくり抜いた道がさらに地下深くへと延びていました。その地下道を辿って地底へと降りていきました。


聖墳墓教会のコプト教教会入り口

狭い階段をどんどん降りていくと、地下にとんでもなく広い空間があり、この中には水が溜まっていました。下の写真ではその一部しか写っていないので、状況がよく分かりませんが、とても涼しく気持ちがよいところでした。


聖墳墓教会のコプト教教会の奥深くにある洞窟


それからホテルに戻り、ホテルをチェックアウトして、イスラエルで4回目のプレゼンテーションをホテルの喫茶店で行いました。


ロビン・トワイトさんへのプレゼンテーション

聞いてくださったのは、ロビン・トワイトさんという方で、イスラエルの水事情に大変詳しい方です。「イスラエルとパレスチナの研究と情報のためのセンター」の環境プログラムのディレクターをされていて、国際的にも大活躍されています。日本にも何度か訪れたことがあり、源氏物語や芭蕉などの日本文化にもとても詳しいです。この日の昼間にトルコから帰国したばかりだったのですが、サリーさんから、是非ともこのトワイトさんにプレゼンをして欲しいと強く頼まれていたのです。彼もプロジェクトに協力してくださることになりました。とてもありがたいことです。

ちょうどプレゼンが終わったタイミングで、なんとイブラヒムが自分の従兄弟のタクシー・ドライバーを連れて、ホテルまでわざわざ訪ねてきてくれました。そして、テル・アビブ空港に近いハギトさんの家まで、車に乗せて行ってくれたのです。彼のもてなし方には本当に感動しました。そして、この日はハギトさんの家に泊めて頂きました。

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